
三朝温泉の由来は、およそ800年以上も昔のこと。大久保左馬之祐というお侍さんが、年老いた白い狼に出会い、一度は弓で射ようとしますが、思いとどまり見逃しました。その夜、左馬之祐の夢に妙見大菩薩が現れ、白狼を助けたお礼に温泉の場所を教えてくれたのです。以後、救いのお湯として村人達の病を治したと伝わります。楠の古木の根元から湧くこの源泉は今も現役。株湯と呼ばれる公衆浴場になっています。
三方を山々に囲まれた三朝温泉の風景はいかにも日本的で、のどかな絵に描いたような温泉情緒が漂っています。三徳川の川岸に咲く桜並木、宵闇に響くカジカガエルの美声、純白の雪景色、三朝には大切にしたい季節の風物詩がたくさんあります。
三徳川の支流で小鹿川に沿って続く渓谷は、小鹿渓と呼ばれる国指定の名勝です。滝や深淵や巨岩が織り成す自然美は、神秘的でダイナミック。初夏には三朝の町花「ツクシシャクナゲ」が咲き誇り、秋には三朝の町木である「トチノキ」にほろ苦い実が熟します。
三徳川に生息するカジカガエルは、三朝温泉のマスコット的存在。澄んだ水の清流にしか棲息しない。とても貴重なカエルです。鹿のような軽やかな声で鳴く事から、その名前がつけられました。
★恋谷橋にはなでると縁結びのご利益があると言われる「縁結び」のカジカガエルの像が座っています。
標高約900メートル、山全域が国の史跡・名勝に指定される三徳山。そもそものはじまりは、慶雲3(706)年のこと、呪術に優れた役の行者(えんのぎょうじゃ)が「仏教の縁にあるところに落ちよ」と祈って、三枚の蓮の花びらを散らすと、その一枚が三徳山にひらりと舞い落ちました。こうしてこの地が、修験道の修行の場として開かれた、と伝わっています。世界遺産への登録準備も進みます。投入堂まで登るには志納金200円に時間(往復約1時間30分)、そして登山のできる服装と体力が必要です。
温泉街でもっともにぎやかなのが、いかにも温泉街らしいお土産屋さんや射的場などが立ち並ぶ温泉本通り。この通りを中心に旅館やお店を小さな博物館として公開しているのが「湯の街ギャラリー」です。こだわりのコレクションをショーウィンドウに展示したり、スペースを開放して自由に見学できます。約18ヶ所。